おはようございます~♪(*´∇`)


お昼時間となってしまいましたが、三連休残り半日?(゚∀゚)?頑張っていきましょー♪
このブログでは度々登場する『GIAHS」という言葉。
世界規模で認められている制度です。
伝統、継承、次世代へ繋げる 素晴らしいシステムをみなさんの心に残りますように。


今日もいってみよっ♪






【今日のレシピ】
 2月10日(日)世界農業遺産(GIAHS)イベント/辻フェス
 GIAHSイベント190210
辻学園の学生さんが書いてくれたイベント看板



未来へつなげるをテーマに「世界農業遺産(GIAHS)イベント」を今年も辻学園さんで開催しました。
昨年度に続き、辻学園さんが年に一度開催している辻フェスイベントに参入です!

携わったGIAHSイベント
2017年 世界農業遺産×カイハウス
2018年 世界農業遺産×辻学園


辻学園さんは大阪市内にある調理・製菓専門学校ですが、栄養専門学校もあり、今年は栄養校の1年生の学生さんに携わっていただきました。

事前にGIAHSについての講義を受け、認定地域の食材を手に取り、料理にどう変えるかと考え、調理をし、学生を含め来場者の方に料理を通してGIAHSを伝えるという取り組みです。

栄養校の学生さんとあって、素材の味を活かして栄養価的な部分まで考慮された、すばらしい料理たちが並びました。


世界農業遺産とは


Globally(世界的に)
Important(需要な)
Agricultural(農業の)
Heritage(資産)
Systems(システム)
社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって生まれた文化、ランドスケープ(風景・景観)及びシースケープ、農業生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を、国際連合食糧農業機関期間(FAO)が認定する制度です。
2018年4月現在 世界で20ヶ国50地域が認定され、日本では11地域が認定されています。


GIAHSイベント190210-2

今回、辻学園さんで行ったGIAHSイベントに参加された認定地域は9地域。
各地域の世界農業遺産の取り組みはこちら↓


①2011年認定 新潟県佐渡市
トキと共生する佐渡の里山

佐渡金銀山の発展によって形成され、自然と共生した農業が保全・継承されてます。
トキを育むために江やビオトープ、ふゆみずたんぼなどの生物多様性の保全を重視して、「生きものを育む農法」に取り組んでます。
「食」と「命」を育む農業システム。それでいて景観も大事にしてます。
日本で唯一、自然下で多くのトキと人が共生してます。
佐渡の伝統文化・芸能の鬼太鼓も継承されています。


②2011年認定 石川県能登地域
能登の里山里海

モザイク状に広がる独自の土地を利用して、稲のはざ干し(天日干し)、揚げ浜式製塩法や海女漁など伝統的な農林漁法が今でも継承されてます。
2,000を超えるため池が点在し、傾斜地には棚田の優れた景観が多く見られます。
白壁黒瓦の民家などもあり、昔の風情はそのままに。
絶滅が危惧されている希少な生きものや渡り鳥など、豊かな生物多様性も健在です。


③2013年認定 岐阜県長良川上中流域
清流長良川の鮎

岐阜県は海抜0mの平野から3,000mを超える飛騨山脈まで、多様な地形の地域です。
里川とは、人が適正に管理することで資源を保全し、清流が保たれている河川のこと。
特別天然記念物のオオサンショウウオや天然記念物のネコギギなど多様な生物が生息してます。
1300年前から続く伝統漁法「鵜飼漁」「郡上釣り」は今でも継承されてます。


④2013年認定 静岡県掛川周辺地域
静岡の茶草場農法

茶園に有機物として投入するササやススキなどの草を刈り取るための半自然草地を「茶草場」といい、
秋から冬にかけて刈り取った草を乾燥させ、裁断して粉砕し、茶園にまく伝統的な「茶草場農法」が今でも継承されてます。
草を茶園にまくことで土壌の保湿、保温になり、微生物の繁殖を促し、より高品質なお茶が育ちます。
草を刈り取ることで地表近くにも日があたり、希少な生物が多く生息する環境が守られてます。


⑤2015年認定 和歌山県みなべ・田辺地域
みなべ・田辺の梅システム

昔から継承される「薪炭林(しんたんりん)を残すため、山全体を梅林にしない」という取り組みが守られてます。
紀州備長炭の原材料のウバメガシやカシを択伐(たくばつ)することで土砂崩れなど山が荒れるのを防ぎます。
里山の雑木林で定期的に人に手を入れることで管理・維持されてます。
降った雨が森林の土壌に貯留して水源を保つ機能「水源涵養(すいげんかんよう)」。
河川の水量や流量の調節に大きな役割をしてます。
日本の野山に生息するニホンミツバチ。自然林での生息数が減り、梅を育てるための種として存続が危ぶまれてますが、みなべ・田辺の梅システムでは共生関係が保持されてます。


⑥2013年認定 大分県国東半島宇佐地域
クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐地域の農林水産循環

九州北東部・瀬戸内海の南端にあり、突き出した丸い国東半島(くにさきはんとう)。
4市1町1村で構成され、降水量が少なく、雨水が浸透しやすい火山性の土壌が広がります。
古くから水の確保が困難だった地域でもあります。
先人たちは水の確保のため小規模なため池を連携されて水量を確保する技術をつくり、現在でも国東市綱井(つない)地域では6つのため池を連携させたシステムが継承されてます。
しいたけの成長に必要な栄養源が供給できるクヌギを利用した伝統的な原木しいたけの栽培がさかん。
クヌギ林は伐採と再生を繰り返し、森林の新陳代謝が活性化され、水源涵養の機能にも大きな役割を担ってます。
保水マットのような膨軟な保水層が形成されてます。
植林されたクヌギ林は適正な管理のもと、約15年の年月を経て原木しいたけの栽培に適したサイズになります。


⑦2013年認定 熊本県阿蘇地域
阿蘇の草原と維持と持続的な農業

世界最大級のカルデラに22,000ヘクタールの大草原が広がる阿蘇地域。
多くの動植物が生育・生息してます。
四季を通して人の手入れをして草資源を活用してます。
春を迎える2月後半から4月にかけて低木を除去して「野焼き」をし、初夏になるとススキなどを再び繁茂させ、野焼きのあと、野草が伸び始める4月から霜の降りる11月ごろまで放牧します。
初秋になると採草地では冬の貯蔵飼料を得るために干し草刈り。
刈った草は1~2日天日干しをして「草小積み」と呼ばれる形に積み上げて保存されます。
高地冷涼な地域で火山土壌でもあり、生産性も悪いため、長年にわたり品種改良がされてきました。


⑧2015年認定 宮崎県高千穂郷・椎葉山地域
高千穂郷・椎葉山地域の山間地農林業複合システム

険しい山々に囲まれ、古来、高千穂郷(たかちほごう)・椎葉山(しいばやま)と呼称された山間地。
厳しい環境下で昔から人々は森林化恵みを巧みに利用した複合的な農林業システムが築き上げられました。
縄文時代から農業を色濃く残した「焼畑」。
1950年ごろまでは日本各地で行われていました。焼く場所を毎年移し、4年程度で穀類を栽培した後、休閑期を設け、森林を再生させる循環型農業。
椎葉山は日本でも唯一継続されている貴重な地域です。
諸塚村(もろつかむら)には日本初となる森林認証が取得され、全国有数の木材産地となってます。
スギ等の針葉樹林、シイタケ原料となる落葉広葉樹林、常緑の照葉樹林がパッチワーク状に広がる特徴的な森林景観は 「モザイク林」 と呼ばれます。


⑨2018年認定 徳島県にし阿波地域
にし阿波の傾斜地農耕システム

美馬(みま)市、三好市、つるぎ町、東みよし町の二市二町からなる「にし阿波」地域。
場所によっては斜度40度にもなる急傾斜地で、水平面を形成せず、傾斜地のまま農耕する「傾斜地農耕」は400年以上にもわたり受け継がれています。
山、畑、石積み、コエグロ、家屋などが一体となった「桃源郷(とうげんきょう)」は日本の原風景として名高い地域です。
「コエグロ」は高さ3cmにもなるといわれる傾斜地農法を営むために、土壌流出を防ぐ技術。
「カヤ場」と呼ばれる採草地を作り、秋にカヤ狩りをしてコエグロ作って保存し、春に傾斜畑へ投入して土壌流出を防ぐほか、伝統的な施肥効果、雑草防止、保水保湿、生物多様性の保存をもたらしています。
米作りには適さない土地であるため、在来種の蕎麦や雑穀などの栽培がされています。


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長々と認定9地域の説明をしましたが、ネット検索で絵を見るのがおすすめです。

今年も開催地 辻学園さんの階段には世界農業遺産イベント、開催のお知らせがされていました!


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各認定地域は特設ブースを設け、オリジナリティあふれるブースを作られてました。


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和歌山県 みなべ・田辺地域のブース

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昨年度認定された徳島県 にし阿波地域のブースも準備整いました。

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パノラマ撮影にて

前日準備の段階ですがこのように2つの教室を使い、特設ブース9です。

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学生さんがGIAHS食材を使い、開発してくれて料理と手作りのレシピリーフレット。
レシピが書いてあるだけではなく、認定地域の特徴や食材についても書いてくれました。

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私が味見した宮崎県高千穂郷・椎葉山地域の「完熟きんかん」をつかったデザート。
販売してほしい美味しさでした。


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4時間ほどのイベントでしたが、各地域10分ほどのプレゼンタイムを開催!

各地域の担当者の方にPRをしていただき、料理開発をしてくれて学生さんから料理の説明を聞いたり、地域の方とのコミュニケーションを行いました。

前日に世界農業遺産基調講演をしていただいた熊本県在住の宮本シェフからの講評もいただき、GIAHS地域のバトンリレーはあっという間に過ぎていきました。

昨年度より広くした会場づくりだったのに、たくさんの方がお越しいただき大盛況!
学生さんたちの笑顔と達成感がみなぎる表情がとても印象的でした。


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新潟県佐渡市「トキのたまご~揚げないライスコロッケ」

GIAHS食材「朱鷺と暮らす郷」「佐渡海洋深層水」に、佐渡産の椎茸、わかめを入れたごはん。
中からクリームチーズが出てきて、サプライズもありました。
揚げないのでさっぱりといただけ、食材の風味がより一層わかりました。

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石川県能登地域「のとフラッペ」

GIAHS食材は「能登大納言小豆」をしっかりと味わえるようにトッピング。
ベースは「大浜大豆の豆乳」や「塩花蜜」「米飴じろあめ」を使った能登満載のフラッペでした。
ごくごく飲める!ドリンクカップで飲み干したいおいしさでした。


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岐阜県長良川上中流域「鮎の炊き込みご飯・鮎の包み揚げ」

この地域が一番早くなくなり、炊き込みご飯だけでも出しても出してもなくなった魅了された料理。
炊き込みご飯は鮎の骨まで出汁で使い、大葉がとてもいいアクセントになってました。
大きな大きなおにぎりで食べたかった!!
明太子が挟まれた鮎の包み揚げ。れんこんの食感もおいしさを引き立ててました。


GIAHSイベント190210-15
静岡県掛川周辺地域「白身魚の紅茶蒸し」

「べにふうき紅茶」と呼ばれる希少な紅茶を使った蒸しもの。
淡泊な白身魚と繊細な紅茶の風味が相性抜群でした。
粒マスタードで引き締めると、ごはんやお酒のよく合う料理へ。


GIAHSイベント190210-16
和歌山県みなべ・田辺地域「梅とハチミツの祭典」

塩気しっかりとした梅干しを使った生地とはちみつサンドがベストマッチ。
いくらでも食べれちゃう危険なクッキー!
米粉を使ったところも栄養校の学生さんらしく、サクサクの味わいがいつまでも続いてました。

GIAHSイベント190210-17
大分県国東半島宇佐地域「白ねぎのパイ」

聞きなれなかった白ねぎ。甘みが豊富で加熱することでとろっとした食感と甘みが最大限に。
材料はたったの3つ!
白ねぎとパイ。そして照りの卵だけで完成なんて!!のおいしさでした。


GIAHSイベント190210-18
熊本県阿蘇地域「熊本県カンショのスイートポテト」

甘味豊かな熊本県「カンショ」(ミルクスイート品種のさつまいも)。
くり抜いてリング状にしたスイートポテト。
くり抜いた部分に阿蘇小国ジャージー牛乳とバターを合わせたカンショを入れ、カンショをたっぷり味わえる一品に。

GIAHSイベント190210-19
宮崎県高千穂郷・椎葉山地域「たまっこチーズ~きんかん風味~」

会場から絶賛の嵐!
ボウルで作ってほしい、売ってほしいスイーツでした。
そのままでもおいしい完熟きんかん「たまたま」ではありますが、コンポートにすることでシズル感たっぷりのおいしさを醸し出してました。
ヨーグルトの入ったさっぱりクリームチーズムースとの相性も抜群!


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徳島県にし阿波地域「そば米いなり」

はじめていただいた「そば米」。
まとまりを出すためにお米を加えたけれど、最小限にしたそうです。
そば米の味わいとゆずの香りでさっぱりいただけるおいなりさんでした。
そば米がたっぷりいただけるレシピ!と宮本シェフも絶賛。



世界農業遺産食材と学生の料理が未来につながるのを感じました。
ぜひ他の学校でもやってほしい!世界農業遺産イベント。


そう思いません?( *´艸`)



みなさんよい1日を~~!☆
今日もありがとうございます♪
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